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ストレス耐性を高めるセロトニン神経の鍛え方

社会不安障害うつ病、極度のあがり症、過緊張などがセロトニン神経の機能障害が原因で起こることはよく知られていることです。セロトニン神経が弱まると脳がパニックが起こりやすくなり、平常心でいられなくなります。
セロトニン神経は抗重力筋の緊張を高める役目も果たしています。抗重力筋の緊張が高まれば、背筋が伸び、顔つきがも締まります。逆に、鬱状態のように、セロトニン神経の活動が弱まると、背筋が曲がり、目元の力もなくなり、顔のはりもなくなります。

うつ病社会不安障害の治療の選択の一つとして、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使用されることがありますが、薬を使わずにセロトニン神経を鍛える方法はあります。

一つはリズム運動によってセロトニン神経を活性化する方法です。リズム運動といっても多種多様なものがありますが、基本的にどのようなものでも問題ありません。ウォーキング、ジョギング、水泳などが代表的なものでしょう。重要なのは意識的なリズム運動であるという点です。また、呼吸のリズム運動として、ヨガの呼吸法や気功法、太極拳なども含まれます。咀嚼もリズム運動の一つです。野球選手がガムを噛むのも心理的効果を狙ってのことです。
脳科学の研究で、これらの規則的な運動を三カ月継続することによってセロトニン神経が活性化されることが実証されています。

運動以外では、早起きがセロトニン神経の活性化に有効です。太陽の光を浴びるとセロトニン濃度は上昇します。電灯の光は100~200ルクス程度ですが、セロトニン神経を活性化するには、2500以上の照度が必要とされています。太陽の光はそれ以上なので、太陽の光を浴びる必要があるのです。ただし、光を浴びて1時間すると、活性から抑制に転化するという実験結果があるので、太陽の光を浴びるのは1時間未満にするのが効果的です。
太陽の光を浴びる以外には、食事からセロトニンを増やす方法もあります。セロトニン合成の材料は、必須アミノ酸であるトリプトファンですが、体内でつくることができないので、多く含まれる食品を摂取するひつようがあります。代表的なものは、バナナや、納豆などの大豆製品やチーズなどの乳製品があります。これらの食品を積極的に摂取ることによって、セロトニン合成を活性化することができます。